社長ブログ

生活必需品と嗜好品

弊社は4月末決算で、5月から新しい期を迎えますので、それに合わせて毎年この時期に経営計画を見直します。しかし、今年は原料や資材の値上がりが続き、先行きが読めません。昨年10月の本コラムで国際的な穀物市況の高騰による値上げの可能性に触れましたが、その後もウクライナ情勢が穀物市況の高騰に拍車をかけ、円安が輸入品価格全般を押し上げています。

製品を値上げするにしても、原価が上昇を続けている中では、どれだけの値上げをお願いすればよいのか、確定しづらい状況です。そうかといって、既に値上がりした分は何らかの手を打たないと確実に減益に繋がっています。コスト削減の努力は続けているものの、それを上回るコスト増ですので、値上げについても、いつまでも様子見という訳にはいきません。
中には、2回目の値上げを打ち出すメーカーもあります。

値上げを考えるとき、自社製品が生活必需品なのか、嗜好品なのか悩みます。味噌は基本的に必需品であり、原料原価が価格決定の大きな要素だと思います。競合メーカーも同じ状況ですので、原価アップ相当分の値上げは売り手・買い手双方にとってわかり安いように思います。一方、嗜好品は「こだわり」「思い入れ」といった付加価値部分をどう見積もってお客様にご納得頂くかがポイントです。値上げしてもそれを上回る価値をお客様が感じて下されば、引き続き買って頂けます。同業他社の価格よりは自社製品の付加価値をお客様はどう見ておられるかが最大のポイントです。実際は、必需品と嗜好品の二つの側面を持っていますので、価格設定をより難しくしています。

今回の値上げは待ったなしで、あれこれ考えている時間はありません。一律値上げではなく、商品の特性を見極めながら商品毎に対応していく方針です。そして、値上げをお願いすると共に、商品の付加価値をアピールしてお客様の支持をつなぎ止める努力や新しい付加価値の提案を最大限行っていきます。

最後に、他力本願ながら、新聞報道によれば最高益を更新する企業も少なくなく、そうした企業は大幅な賃上げで消費の下支えに貢献して欲しいと思います。

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