社長ブログ

コロナ禍と家庭での食事のあり方

コロナ禍で外食から家庭内での食事へのシフトが進んでいます。
コロナ禍が広がった当初は、家庭での調理が増えて量販店での味噌の販売量も増加したのですが、その後は「料理疲れ」と言われるように料理の手間が敬遠され、味噌の売れ行きも落ち込みました。
コロナ禍2年目からは、代わって大手食品メーカーを中心に家庭でごく簡単にできるメニュー調味料が多数発売されてスーパーの棚を賑わしています。
どの商品でも、テレビCM通りで、簡単に美味しいメインディッシュが出来上がります。
一方、中食の分野でも、コンビニやお惣菜のチェーンが、素材を厳選して職人のこだわりを再現した美味しいおかず類を益々充実させています。

社会の要請や消費者のニーズに合致した商品で、私自身も少なからず恩恵を受けていますが、一方で基礎調味料やご家庭での若干の調理を前提にした調味料を製造している中小メーカーの立場からは、やや複雑な心境です。
家庭での調理機会が減り、「おふくろの味」が「お袋(パックされた食材)の味」と揶揄されてもう何十年になりますが、これまでは「調理できるけれども忙しくて調理時間がとれない」という世代が健在で、利用者の中心だったと思います。
しかし、買ってきたお惣菜の盛り付けやメニュー調味料でしか調理できない消費者がどんどん増えて来たらどうなるのか—と考えるのは杞憂でしょうか。

近年、多様性の保持ということが盛んに言われていますが、食の多様性といえば、郷土食に代表されるような地域的な特色と、同じメニューでも家毎に味が違う家庭料理が挙げられると思います。
ここでは、家庭料理を「家で食材と基礎調味料から手作りする料理」といった意味で使っており、調理する行為に重きを置いています。
郷土食にしても家庭料理にしても、旨い・不味いと言った嗜好を超えた価値があり、世代を越えて大切に伝えていくべきであろうと思います。
家庭料理について、家庭そのものが変質してきているという社会問題まで視野に入れると、私の論じ切れる範囲を超えてしまいますが、美味しそうなテレビコマーシャルを見るたびに、家庭での食事のあり方、更には家庭のあり方についてまで考えてしまいます。

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