社長ブログ

‘みそ研’信州味噌研究所

長野県は全国の味噌出荷量の50%以上を占める「みそ処」で、「信州みそ」として多くの消費者の皆様に親しまれています。
よく「信州みそ」の定義を聞かれますが、「信州みそ」という名称は実は長野県の味噌組合が保有する団体登録商標で
組合員が県内で醸造する米味噌に限って使用できます。そして、商標と共に味噌組合が誇れるもう一つのものが「信州味噌研究所」です。

長野県の味噌組合は、信州みその品質とお客様からの信頼を守るため、商標管理と共に、信州味噌研究所という研究機関を持っており
味噌の学術的な研究から製造方法の研究・改良、製造支援、蔵元への技術指導や食品表示等の法令の遵守徹底、そのための講習会、品評会などを行っています。
他県では、主に行政が地場産業に対する支援としてそうした機能を果たしていますが、長野県は行政の支援を受けながらも組合主体でそれを行ってきました。
これまでの組合の主な役割を私なりに大雑把に回顧すると、信州みその課題の変遷が窺えます。
戦後の食糧難の時代は良質な原料を確保する共同仕入れ
戦後の高度成長期にかけて出荷量が増加した時期は、信州味噌研究所を充実させて製造方法の改良や信州みその品質保持を図りまた他県の味噌と区別する商標管理などに注力しました。
研究所は製造方法の改良と製造支援のために自前の培養設備なども保持していました。
その後は、味噌の消費減少に対して需要を喚起する広報活動
消費保護の動きを踏また食品表示などの諸規制遵守の指導・啓発
蔵元の代替わりに対して信州みその技術伝承の為の技術者育成
最近ではHACCP導入への取組支援など、組合・研究所として取り組んでいます。
原料の共同仕入れといった当初からの基本的な機能は、規模は縮小したものの現在も継続して果たしており、その時代の要請に応じてウェイトを替えながら、信州みその普及に努めてきたと言えます。

今後も消費者保護の規制遵守や技術者の育成、広報活動が中心になると思いますが、加えて、需要増加期の‘信州みそ’という大きな括りでの支援ではなく、大小様々な蔵の特徴を活かした‘多様な信州みそ’の発展をサポートする機能を重視していこうとしています。
研究所自前の設備も、行政の研究機関や民間企業の設備を活用するなど、身軽な体制に切り替えて、今後の必要な課題により注力する方針が示されています。
個々の蔵元の創意工夫と共に、信州みその組合としての取組にも期待していただき、お味噌を使った健康的で美味しいお料理を召し上がっていただきたいと思います。
(「信州みそ」で検索)

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