「夏休みの宿題、まだ自由研究が終わっていない…!」
「家にあるもので手軽にできて、面白い実験はないかな?」
そんなお悩みをお持ちの親子にぴったりなのが、日本の伝統調味料である「みそ(味噌)」を使った科学実験です!
こんにちは、開発担当Kです。
残暑お見舞い申し上げます。
そろそろ「夏休みの宿題、まだ自由研究が終わっていない…!」と焦り始めてきた頃ではないでしょうか?
そこで今回は、ご好評いただいている(?)「自由研究まだ間に合う?!」ネタとして、私たちが普段作っている「みそ」を使った簡単な実験を3つご紹介します!
自社の商品やスーパーで買えるおみそを使い、社内で実際に実験して比較してみました。
なぜ今、あえて「みそ」で自由研究?
一見すると地味に思えるおみそですが、実は子どもの「なぜ?」を引き出す格好の教材です。
子どもの宿題を手伝うつもりが、気がつけば大人の方が「なるほど!」と夢中になってしまう面白さが詰まっています。
- 世界から注目される「MISO」:健康志向に伴う腸活・発酵ブームや、海外からのお問い合わせ増加など、和食(WASHOKU)を代表するみそは今や世界中で大注目されています。
- 身近な食文化と「科学」がつながる:普段何気なく食べている調味料から、「酵素」や「微生物(酵母)」の生きた働きを体感できます。
- 自分で確かめる楽しさ:見た目は同じようなみそでも、製法によって「見えない力」が異なります。実験を通じてその違いを目撃する体験は、教科書を読む以上の納得感を生みます。
そもそも「みその見えない力」ってどういうこと?
みその中には、うまみ成分を作るなどの化学反応を進める「酵素(こうそ)」と呼ばれるたんぱく質と、発酵によってみその香りなどを作る「酵母(こうぼ)」という微生物が存在しています。
今回の実験では、目に見えない酵素や酵母が本当に活動しているのかを確かめていきます!
実験の前に:準備する「3種類のみそ」

今回の実験で最も重要なのが「みその選び方」です。スーパーやご自宅にあるみそをチェックして、以下の3種類を準備しましょう。
| みその種類 | 特徴・選び方のポイント |
| ① 一般的なみそ(酒精入り) | 原材料名に「酒精」が含まれている一般的なおみそです。 |
| ② だし入りみそ | 裏面の「名称」に「米みそ(だし入り)」と書かれているおみそです。 |
| ③ 酒精なしみそ(生みそ) | 酒精が入っていないおみそです。容器のフタにバルブ(空気穴)がついているものを選んでください。商品をよく見ると、小さな穴や、横から見るとプラスチックのバルブがついているのがわかると思います。また、熟成の浅い色が白めのみそを選ぶと上手くいきます。 |
バルブはこんな感じです。お店でも注意して見るとわかるはずです。↓

実験①:どろどろ片栗粉がサラサラに!?「でん粉分解」実験
片栗粉で作ったどろどろのでん粉のりにみそを混ぜると、あっという間にサラサラの状態に変化する実験です。
用意するもの(所要時間:約15分)
- 片栗粉:20g / 水:180ml
- 耐熱容器(電子レンジ加熱用) / コップ:3個 / 温度計
- 3種類のみそ:各小さじ1杯(約5g)
実験手順
- 耐熱容器に片栗粉20gと水180mlを入れてよくかき混ぜます。
- 電子レンジ(700W)で、20秒ごとにかき混ぜながらどろどろになるまで加熱します。

- 水につけて約40℃まで冷却します。
- どろどろになった片栗粉を、コップ3個に50gずつ分けます。
- それぞれのコップに3種類のみそを小さじ1杯ずつ加え、よく混ぜて変化を観察します。
(みそを入れた直後)

↓
(混ぜた後)

【実際にやってみた感想・結果】
写真で分かりますでしょうか?「だし入りみそ」を入れたものだけがどろどろのままで、残り2つは見る見るうちにサラサラのおみそ汁のようになってしまいました!質感が変わるので、なかなかの驚きがありますよ。
実験②:ゼリーが固まらない!?「たんぱく質分解」実験
ゼラチンで作ったゼリー液にみそを加えて冷やす実験です。ちゃんと固まるものと、固まらないものに分かれます。
用意するもの(所要時間:約1時間+冷やす時間)
- ゼラチン:1.5g / お湯:200ml(ゼラチンの量は使用するゼラチンのゼリーの作り方に従ってください)
- コップ:3個 / 温度計
- 3種類のみそ:各10g
実験手順
- パッケージに従ってお湯にゼラチンを溶かし、ゼリー液を作ります。」(ゼリー液自体はサラサラの液体です。)
- 水につけて約40℃まで冷却します。
- コップ3個にゼリー液を50gずつ分け、3種類のみそをそれぞれ10g加えてよく混ぜます。
- 常温でときどき混ぜながら1時間置きます。
- その後、冷蔵庫に移してしっかり冷やし、お皿に出して固まり具合を観察します。
(冷蔵庫に入れる前)

↓
(固まった後)

【実際にやってみた感想・結果】
比較写真の通り、「だし入りみそ」は綺麗に固まりましたが、残りの2つみそは固めることができませんでした。
実験③:ペットボトルが膨らむ!?「生きた酵母の発酵」実験
みそをペットボトルに入れて数日間置いておく実験です。目に見えない微生物(酵母)が生きている証拠を観察できます。
用意するもの(観察期間:約1週間〜)
- 500mlのペットボトル:3本
- 厚手のビニール袋(絞り袋用):3枚 / はさみ
- 3種類のみそ:各400g
実験手順
- ビニール袋にみそを入れ、端をはさみで切り、絞り袋の要領でペットボトルにみそを400gずつ詰めます。
- ペットボトルを軽くたたいてみそを寄せ、潰してできるだけ空気を抜いて、蓋をしっかり閉めます。
- 直射日光の当たらない、温かい部屋(30℃前後)で保管し、経過を観察します。
(保管前)

↓
(35℃5日間保管後)

「酒精なしみそ」だけボトルに気泡が入って膨らんでいるのがわかりますでしょうか。
↓

「酒精なしみそ」を軽くたたいてみそを寄せてみました。はっきりと空間ができているのがわかると思います。
【実際にやってみた感想・結果】
「酒精なしみそ」だけボトルに気泡が入って膨らんできました!更に保管するともっとパンパンになっていきます。普段は感じられない「おみそが生きていること」を体感できる実験です。
実験結果と考察(科学の仕組み&日常への応用)
1.実験結果まとめ(レポート作成用)
| 実験内容 | ① 一般的なみそ | ② だし入りみそ | ③ 酒精なしみそ |
| 実験① 片栗粉 | サラサラになる | どろどろのまま | サラサラになる |
| 実験② ゼラチン | 固まらない | 固まる | 固まらない |
| 実験③ ペットボトル | 変化なし | 変化なし | パンパンに膨らむ |
2.なぜこうなった?(科学的メカニズム)
- でん粉の分解:酵素(アミラーゼ)が、どろどろを作り上げているでん粉(片栗粉)を分解して、サラサラの液体に変えたため。
- たんぱく質の分解:酵素(プロテアーゼ)が、ゼリーを固めるゼラチン(たんぱく質)を分解して、固める力を失わせたため。
- 微生物の呼吸・発酵:生きた酵母が、活動することによってガス(二酸化炭素)を発生させて容器を膨らませたため。
3. 日常に生かすヒント(生活への応用)
実験で分かった「酵素と酵母の活動」は、台所での美味しさのコントロール、保存や調理の失敗防止、そして料理テクニックに応用できます!
味わいと保存方法のコントロール
- みそは変化する:みそは時間がたつにつれて、味や見た目が変化してきます。今回実験した通り、特に、酒精(アルコール)の入っていないみそは、酵素や酵母が生きているため、変化が大きいみそと言えるでしょう。一般に、若いみそは色が淡く、麹の香りや、原料の特徴が強く感じられ、フレッシュなおいしさです。一方で、熟成の進んだみそは、色たん白が濃く、熟成香や、コク、旨み強いとされています。みその味の変化(熟成)を意識するとみそのおいしさをもっと楽しめると思います。
- 【裏ワザ】みそは「冷凍保存」がベスト!:みそは常温でも腐ることはありませんが、冷蔵すると変化が遅くなります。さらに、冷凍した場合は、みその変化は完全にストップします。みそは塩分が高いため、家庭の冷凍庫(-18℃前後)に入れてもカチコチに固まらずスプーンですくうことができます。冷凍すれば買った瞬間のフレッシュな美味しさを何ヶ月もキープできますよ。
実験結果を応用!失敗しない料理ハック
- とろみ料理に「後からみそ」はNG!:実験①で片栗粉がサラサラになった通り、あんかけやカレーにとろみをつけた後でみそを入れると、酵素がでん粉を分解してシャバシャバになる場合があります。みそを入れて加熱してから片栗粉を入れるのが鉄則です。だし入りみそを使うと安心ですね。
結論:この自由研究からわかったこと
今回の実験の結果をまとめると、スーパーに並んでいる見た目は同じようなみそでも、製法によって酵素や微生物が「動いているか・止まっているか」が異なることが証明できました。
この自由研究の進め方と選び方
3つの実験は、「みその見えない力を確かめる(酵素や酵母が活動している)」ことを証明するゴールは共通ですが、それぞれ、結果の出るスピードが違うだけでなく、観察している科学的メカニズム(酵素の種類や微生物の働き)が別です。
ご家庭のスケジュールに合わせて選んでみてくださいね。
- 全部やれば完璧(フルコース):3つの実験をすべて行うことで、「でん粉分解」「たんぱく質分解」「発酵」というみその3つの見えない力を網羅した説得力抜群のレポートになります。
- 1つだけでも成立(選択コース):時間がない場合は、1つの実験だけでも「みその酵素(または酵母)が活動している証拠」を提示する自由研究として成り立ちます。
スケジュールにあわせたおすすめの選び方
- 時間がなくて今すぐ終わらせたい ➔ 実験①(片栗粉):約20分で完了!
- 明日までに仕上げたい ➔ 実験②(ゼラチン):半日〜1日で完了!
- じっくり毎日観察したい ➔ 実験③(ペットボトル):約1週間観察!
まとめ:身近なみそは「キッチンサイエンス」の宝庫!
一見すると身近な調味料ですが、みその中には目に見えない分子や微生物によるダイナミックな働きが隠れています。
自由研究の実験は、単なる理科の観察ではなく「明日のご飯を美味しくするキッチンサイエンス(生活の知恵)」そのものです。
夏休みの宿題に困っている皆さんはもちろんのこと、お時間がありましたら自由研究に関わらず、ぜひご家庭で「見えないみその力」を体験してみてくださいね!
\ 実は過去にもこんな自由研究ネタやってます! /
「もっと他の発酵実験もやってみたい!」「自分だけの発酵食品を作ってみたい!」という方は、以前ご紹介したこちらの自由研究ネタもぜひ覗いてみてくださいね。
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