味噌屋達の日常

消えていった商品たち

こんにちは。営業担当のGです。上高地みそに入ってはや、30年以上になります。創業が明治42年で110年以上の歴史がある上高地みその中ではごく一部を知るのみだとは思います。その短い期間の中ですが発売されてきた商品の中で印象に残る(良くも悪くも)商品たちを紹介してみたいと思います。
まずは

「煮物つくろ!」

かなり古い商品です。現在のPCのハードディスク内に見積もりなどが残っていないので、まだ手書きのお見積書を作成していた1990年代前半くらいの商品だったかな?と思います。
醤油味のタレで、水で希釈し、しょうゆで味を整えて具材(こんにゃく、筍など)を煮込むと筑前煮が出来上がるという商品でした。弊社では珍しいしょうゆベースの商品でしたが短期間で終売となってしまいました。味もよかったとは思いますが、醤油後入れタイプと呼んだ、使用者が醤油を足して味調整するという使い方が手間だった気がします。

「豚肉で白菜なべ・辛口キムチ味」

人気の「豚肉で白菜なべ」の姉妹品として発売した商品です。家族揃って召し上がっていただける「白菜なべ」に対して辛ささにこだわったキムチ味の鍋みそでした。その為、好きな方のみでお召し上がり頂けるよう、一人前ごとの個食パックの2袋入りパッケージとしました。クセになる辛さがウリでした。また、今、市場に多くで廻っているお一人さま鍋のはしりとも言える商品でした。
それなりにご採用頂いた販売店さんもあったのですが棚に並べたときに商品サイズが小さすぎてPOPや値札に隠れてしまうこともあり、なかなか販売に結びつきませんでした。
ただ、このキムチ鍋路線は後継の信州産リンゴ入り白菜なべキムチ味、桃屋キムチの素使用鍋みそ、と引き継がれました。個人的には辛さにこだわったこの商品の味が一番好みだったかな、と思います。

「早漬けの素味噌味」 

弊社、ロングラン商品「早漬け調味しょうゆ」の味噌味版として販売していた商品です。ただ、これ以前から味噌味の同様の商品は販売しておりました。この早漬けの素味噌味の特徴として原料に希少な「みりん粕」を使用した点が特徴でした。味噌だれに甘味と旨味を加え、さらに味の浸透も良くなりアミノ酸系の調味料を使用せずに味に深みを出すことができました。野菜の漬物だけで無く肉や魚等にも何にでも使える汎用性の高さがありました。試食販売などでは毎回に好評を博しました。実際に導入された販売店さんも多かったのです。ところが売り場に置かれてみると販売面では順調とは言い難く2シーズン目には定番落ちする売り場が目立ちました。パッケージから美味しさが伝わり切れなかった、180g入りのスタンドパックで260円ほどだったので1L入りで300円くらいの商品が並ぶ、漬け材売り場では割高感が出てしまった、などが原因としてあげられるかな、と思います。個人的には大変気に入っていた商品でしたのでできればリニューアルをして再挑戦してみたいアイテムです。

「パクチーみそ」

 今回のアイテムの中で一番やってしまった感のある商品です。文字通りパクチーペーストの練り込んだみそで、一昔前のパクチーブームの際に発売した商品です。それまで匂いのキツい香草くらいの認識で食べたこともなかったのですが商品開発の予備知識のために当時、メディアによく出ていた都内のパクチー料理専門店まで食べに出かけてみました。2~30人ほど入れそうな店内はほぼ20~30代の女性客ばかりで男性客は我々のみという状況。実際には思ったほど臭いという感じではなく弊社の酢みそ系の調理みそと相性が良く感じました。使い方も社内での試食などを繰り返した結果、さっぱりとした茹肉、魚介類などに合う酢みそ系の味としました。そして出来上がった商品を展示会、商談に持ち込むと話題性は充分、良くも悪くも注目をしていただけました。実際の試食でも前述のレシピが好評をいただいたように感じましたが実際の採用となるとちょっと、というかかなり苦戦を続けました。酢みそに合わせるとみその効果で臭みというかエグさがかなり和らいで美味しくなると感じたのですが実際にはパクチー好きの人は臭さ、エグさを求めているのであってそれが和らいでしまっては魅力が半減とのことでした。一方、食べやすいとは言ってもパクチー嫌いの人は最初から手を出さない、という状況に陥ってしまっておりました。
途中、価格や表示的に許容できる範囲内でパクチーペースト量を増やして対策をしてみましたが好転することはなく短期間での終売となってしました。個人的には美味しかったのになぁ。とは思います。
今回、ご紹介させていただいた商品は過去にあった商品のごく一部になります。その他の商品はまたの機会にご紹介できればと思います。また、今回ご紹介できなかった「生みそカテゴリー」についても記載しようと思います。それでは。また。

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